Amazonで商品を販売する上で、避けては通れないのがASIN(エーシン)という専門用語です。この10桁のコードは、単なる商品番号ではありません。在庫管理から広告戦略、競合分析に至るまで、Amazonビジネスのあらゆる側面に深く関わる重要な要素です。しかし、「ASINの調べ方が分からない」「SKUとの違いが曖昧」「どうやって取得するの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、Amazonでのビジネスを成功に導くため、ASINの基本から応用までを7つのステップで網羅的に解説します。
目次
AmazonのASINとは?
ASINとは「Amazon Standard Item Number」の略で、Amazonがプラットフォーム上の商品を個別に識別するために割り当てる10桁の固有コードです。原則として、1つの商品に対して1つのASINが割り当てられ、Amazonの広大な商品カタログを支える「1商品1ページ」の原則を実現しています。
このASINは、AmazonのビジネスにおいてSKUやISBNとは異なる役割を担います。
コードの種類 | 定義 | 発行者 | 主な目的 |
---|---|---|---|
ASIN | Amazonが商品を識別するための独自コード(10桁の英数字) | Amazon | Amazonプラットフォーム内での商品識別・管理 |
SKU | 在庫管理番号(Stock Keeping Unit) | 出品者 | 出品者自身の在庫管理(色・サイズごとの管理など) |
ISBN | 国際標準図書番号(International Standard Book Number) | 国際機関 | 書籍の世界共通の識別コード(Amazonでは書籍のASINとして使用) |
簡単に言えば、ASINは「Amazon内での商品の住所」、SKUは「自社倉庫での商品の棚番号」のようなものです。ASINは全出品者で共通ですが、SKUは出品者ごとに自由に設定できます。
AmazonのASINの種類
ASINには、商品のバリエーションを管理するために「親ASIN」と「子ASIN」という2つの種類が存在します。
親ASIN (Parent ASIN)
親ASINは色やサイズといった複数のバリエーションを持つ商品を束ねるための、「見えない」ASINです。その自体は購入できず、検索結果にも直接表示されません。あくまでバリエーションをまとめるための「親」の役割を果たします。例えば、「特定のデザインのTシャツ」という商品グループ全体。子ASIN (Child ASIN)
子ASINは親ASINに紐づく、実際に顧客が購入する個々のバリエーション商品に割り当てられるASINです。例えば、親ASIN「Tシャツ」に紐づく、「赤・Sサイズ」「青・Mサイズ」といった具体的な商品。
この親子関係により、顧客は1つの商品ページで好みの色やサイズをスムーズに選択でき、出品者は関連商品をまとめて管理できるというメリットがあります。
AmazonのASINの取得方法
よく「ASINの作成方法」と混同されがちですが、ASINは出品者が作るものではなく、Amazonが自動で発行するものです。取得方法は非常にシンプルです。Amazonのカタログにまだ登録されていない商品を新規出品すると、ASINは自動的に生成・取得されます。
▼具体的な手順は以下の通り
セラーセントラルにログインし、メニューから「在庫」>「商品を追加」をクリックします。
「Amazonで販売されていない商品を追加します」を選択します。
商品のカテゴリを正確に選択します。
商品名、ブランド名、メーカー名、そして製品コード(JAN/EAN/UPCなど)を含む必須情報を入力します。
価格、在庫、商品画像などの情報を登録し、「保存して終了」をクリックします。
このプロセスが完了すると、Amazonのシステムが新しいASINを自動で割り当て、商品に紐づけます。
AmazonのASINの調べ方
自社商品や競合商品のASINを調べる方法はいくつかあり、目的に応じて使い分けるのが効率的です。
1.商品ページのURLから確認する
これは最も手軽な方法です。ブラウザで商品ページを開き、アドレスバーのURLを確認してください。「dp/」の直後にある「B0」で始まる10桁の英数字がその商品のASINです。例えば、URLが「https://www.amzon.co.jp/dp/B06Y55X2Q1」であれば、「B06Y55X2Q1」がASINです。
2.商品ページの情報欄から確認する
商品ページを下にスクロールすると、「登録情報」または「商品の情報」というセクションがあります。ここにASINが明記されています。
3.セラーセントラルのレポート機能を使う
大量のASINを一括で確認したい場合は、セラーセントラルの「レポート」>「出品レポート」から在庫レポートをダウンロードすることで、自社商品のASINリストを取得できます。
AmazonのASINの使用シーン
ASINは、Amazonでのビジネスを加速させるための強力なツールです。主な活用シーンを見ていきましょう。
活用シーン | 具体的な内容 |
---|---|
商品検索 | Amazonの検索窓にASINを直接入力すれば、目的の商品ページに一瞬でアクセスできます。 |
出品・在庫管理 | ASINを基準に商品を管理することで、正確な在庫追跡や販売状況の分析が可能になります。 |
Amazon広告運用 | スポンサープロダクト広告などで、競合他社のASINをターゲットに設定し、その商品ページに自社広告を表示させる戦略が非常に効果的です。また、自社商品をターゲットにしてクロスセルやアップセルを狙うこともできます。 |
競合分析 | 競合商品のASINをリストアップし、価格変動、レビュー数、在庫状況などを定期的に追跡することで、自社の戦略立案に役立てます。 |
相乗り出品 | すでにAmazonに存在する商品と同じものを販売する場合、既存のASINを利用して出品(相乗り出品)します。 |
A+コンテンツ作成 | ブランド登録済みの出品者は、自社のASINに対してリッチな商品紹介コンテンツ(A+コンテンツ)を作成し、転換率を高めることができます。 |
AmazonのASINコードで検索しても商品が出てこない理由と対処法
「正しいASINを入力したのに、検索しても商品が出てこない」という問題は、多くの出品者が経験します。主な原因と対処法は以下の通りです。
原因 | 詳細 | 対処法 |
---|---|---|
親ASINで検索している | 親ASINは購入対象ではないため、通常は検索結果に表示されません。 | バリエーションを選択した後のURLに含まれる子ASINで再度検索してください。 |
出品情報がない・非公開 | ASINが存在していても、在庫切れや発売日前で「購入可能な出品」がない場合、検索対象外になることがあります。 | セラーセントラルで在庫数、価格、販売開始日が正しく設定されているか確認し、情報を更新してください。 |
カテゴリ設定(ブラウズノード)が不適切 | 商品が適切なカテゴリに分類されていないと、Amazonの検索アルゴリズムが商品を正しく認識できません。 | セラーセントラルの商品編集画面で、最も関連性の高い具体的なブラウズノードが設定されているか確認・修正してください。 |
出品情報の品質に問題がある | Amazonのガイドラインに違反する画像や商品説明などが原因で、商品ページが「検索対象外」にされている場合があります。 | セラーセントラルの「在庫管理」ページで、ステータスが「検索対象外」になっていないか確認し、問題点を修正してください。 |
これらの変更が検索結果に反映されるまでには、最大で72時間程度かかる場合があります。
よくある質問(FAQ)
Q1. ASINは自分で好きな文字列に設定できますか?
いいえ、できません。ASINは、Amazonが商品を新規登録する際に自動的に割り当てる識別コードであり、出品者が任意で作成・変更することはできません。出品者が任意で設定できるのはSKU(在庫管理番号)です。
Q2. すべての商品に親子関係(バリエーション)を設定すべきですか?
いいえ、その必要はありません。バリエーション設定は、色、サイズ、容量、数量など、顧客が1つのページで比較・選択したい明確な違いがある場合にのみ有効です。単一で販売される商品には不要です。
Q3. JANコードがないとASINは取得できませんか?
原則として、ASINを取得(新規商品登録)するにはJANコードなどの製品コードが必要です。しかし、自社ブランド製品などで製品コードがない場合は、Amazonブランド登録を行うか、製品コード免除の許可申請を行うことで、製品コードなしで商品を登録し、ASINを取得できる場合があります。
Q4. 一度取得したASINが変わることはありますか?
基本的に、一度発行されたASINが変更されることはありません。ただし、重複して作成された商品ページがAmazonによって統合(マージ)された場合など、ごく稀なケースでASINが変更(片方に統一)されることがあります。
まとめ
Amazon ASINは、単なる商品番号ではなく、Amazonエコシステム内での商品のDNAとも言える存在です。その仕組みを正しく理解し、調べ方や取得方法をマスターすることは、効率的な店舗運営の第一歩です。さらに、広告運用や競合分析といった戦略的な場面でASINを使いこなすことで、あなたのAmazonビジネスは大きく飛躍するでしょう。
この記事を参考に、ぜひASINへの理解を深め、日々の業務や戦略立案にお役立てください。